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馮禍驅燈譚【起】
-決壊・出立-
“涓滴、岩を穿つ”
古くから語られるその言葉の通り、長い歳月を経て零れ続けた雫は、遂に巨岩を砕くに至った。
その巨岩は、千年に亘り聳え立ち、彼方より届く根源の光を塞ぎ続けた。
だが、夜は千年の沈黙を破り、絶叫と共に、遂にその堰を切ったのだ。
109号区の氾濫はもう止まらない。
溢るる奔流の果てに輝く灯台を見たか?
空の奥からオマエを照るあの光を見たか?
あの光は遙か昔、オマエの生まれた日から常に灯り続けていたサーチライト。
オマエを捕える街の不意を突き、原初の日から告げに来た。
“キミは奇跡”と。
さあ、今こそ発て。
あのサーチライトが照らす空の奥へ。
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